東証1部銘柄、3社に1社は落第点!?

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東証1部銘柄、3社に1社は落第点!?

 

本日日経新聞に、東証1部の3社に1社は期待外れのパフォーマンスとなっているとの記事が掲載されていました。

 

以前というか、昔は、東証1部企業というのは、野球でいえば、甲子園出場どころか、メジャーリーグの位置づけで金看板の輝きは放っていたわけですが。

 

現在、東証1部には、約2100社あり、なんと過去30年で2倍近くに数が増えています。

 

一方、投資家が求める収益性の最低ハードルを満たしていない「期待外れ」銘柄がなんと、

全体の3分の1を占めている散々な結果

だったと報じています。

 

そんな背景から、世界的見ても、東証1部ブランドが低下していることもあり、最近は経済雑誌でも、話題によくなっていますが、第1部の企業数の絞り込みなど市場の再編に動き出す可能性があります。

 

過去10年で、赤字転落した回数が5回ある企業は何社程度あると思いますか?

2年1回は赤字という株主を裏切る業績の会社数は、54社

です。

全体の2%程度のため、ごく少数ではありますが、かつては名門といえども、変化の激しいこの時代、苦戦を強いられている状況です。

 

なぜ?こんな状況なのでしょうか?
例えば、パイオニアは、10年で5回赤字だったのですが、米欧では通常、パイオニアのように赤字が続く低収益企業は買収されたり、倒産したりして市場から去っていくものです。
ですが、

日本では、東証1部では、新陳代謝が必ずしも進んでこなかった

といえます。中でも新薬開発支援の新日本科学や液晶テレビの船井電機など7社は、なんと、

赤字の回数が8回に達しているのです。

言い換えると、株主に向き合った経営が必ずしも日本では行われてなく、時代が変わったからしょうがないでしょとまでは言いませんが、株主にとってのリターンであるROE(自己資本利益率)の視点が薄かったと言わざるを得ないと思います。

事業の競争力が落ちて収益性が下がれば、純利益を自己資本で割った自己資本利益率(ROE)も下がってしまいます。
ROEが低い企業は投資家の期待を満たすリターンを出していない証拠であり、東証1部ではどのくらいの数の企業が投資家の要求水準を満たしていないと思いますか?

リスクを取ってお金を出した投資家が、投資先企業に求める最低限のリターンを「株主資本コスト」といい、上場企業は、ROEを一定水準超え続ける必要があります。

どの程度の水準が適切かというと、2014年に経済産業省がまとめたいわゆる「伊藤リポート」によると、機関投資家が日本株に求める

株主資本コストはおよそ8%

です。

一方、東証1部で3年連続ROEが8%に届かなかった企業数を日本経済新聞が調べたところ、なんと684社が該当したそうです。

つまり東証1部の3社に1社が投資家が要求する資本効率を達成できていない、落第点となっているわけです。
投資先としては「期待外れ」の企業ということになり、世界的にも日本の企業は株主のリターンを満たす銘柄が少ないと、見放されてしまうわけです。

ではなぜ?投資家が求めるROEを達成できないのでしょうか?

一番多い理由は、事業の収益性の低さだけではなく、歴史的な関係からの持ち合い株や、島国である日本に多い、何かあったとき(地震、想定外の事故、将来が不安だから等)のために、

手元資金を必要以上に抱え、資産を有効に活用していない

のが実態です。

東証は企業数を絞り込むため、1部上場を維持できる時価総額を現行の20億円から250億円に引き上げる案を軸に検討している状況です。

ですが、たとえ時価総額の水準を満たしても、資本効率が低い企業が多く温存されれば市場の魅力は全く高まりません。

海外投資家は、よく日本市場のことを、時価総額が小さい銘柄だけでなく、資本効率が低すぎて投資対象にならない銘柄が多いといっており、より高いROEの向上が必要です。

今後東証1部がどういった上場基準を示すのか、世界が注目しています!