バフェットは全航空株を売却したのか? バリュー投資アカデミー

バークシャー社が2020年5月2日に開催した初のネットでの株主総会での映像
どうしてお気に入りの航空株を売却したのか?今回の損切の理由を解説

Warren Buffett: Why we sold our entire stakes in American, Delta, Southwest, and United Airlines
ウォーレン:バフェット氏:アメリカン航空、デルタ航空、サウスウエスト航空、ユナイテッド航空の全株式を売ったのはなぜか?

■質問者

最初の質問は、バフェットさん、あなたが実際に仰っていたコメントに基づいて出てきた質問です。ウィリアム・ルイスさんからの質問です。

バフェット氏の発言を正しく理解したいための確認です。バークシャー・ハサウェイ社は航空会社4社の株式を売却したということでよろしいでしょうか?

「その場合、その航空会社の個別名を開示してもらえませんか?」

■Buffett:

はい、通常はそれについても話しますが、説明が必要ですね。

これらの会社が運営する事業や、その経営について弊社が失望した訳では断じてないとの説明がまず必要でしょう。しかし、弊社は異なる意見を持ちました。対象の会社は、米国の四大航空会社です。

アメリカン航空とデルタ航空、サウスウエスト航空とユナイテッド航空の4社です。

この4社合算で、おそらく、米国内を運行する全商業旅客マイルの少なくとも80%を占めていると思います。

サウスウエスト航空を除いた3社は、観光目的の主要国際線も運行していると思います。

弊社は、これらの航空会社を気に入っています。本当に気に入っています。

ですが、今回航空会社にとって、世界が一変しました。

それがどう変わったのかは私には分かりませんが。できる限り迅速に修正される事を願うばかりです。アメリカ人の旅行習慣が既に変わってしまったのか、これから変わっていくのかはまだ分かりません。

私たちが今のように生活をほぼ閉鎖し、その後人々の行動様式が不確かな経済状態に、長期間置かれるからです。

実は、ここ7週間、私は散髪に行けていません。最後にネクタイをしてから、もう7週間以上が経ちます。その間は、どのスウェット上下を着るかを選ぶのが、私の日課でした。

この状況をどう脱せられるのかは、誰にも分かりません。しかし、中でも特定の業界が、残念ながら航空業界であり、原因は、自分達のコントロール外にある出来事です。

強制的閉鎖によって、大きな打撃を受けていると思います。グレッグさん、何か追加されますか?

 

■グレッグ氏:

本当にもう何もありません。

ネタの一言で締めるつもりはありませんでしたが、ウォーレンさんが上手くまとめて下さいました。

■Buffett:

弊社は航空他社なら購入したかもしれません、付随的にですが。しかし今回のは四大航空会社で、弊社が購入する機会のあった会社です。

いくらだったか、確か70〜80億ドルで購入し、その時から全く現金化しませんでした。

(現金化しなかったのは)私の間違いでしたが。低確率でもたまに起こり得る問題が実際に起きた場合、必ず問題になります。今回そういった問題が航空会社に起こり、私がその決断を下しました。

■質問者:
ウォーレンさん、明確に質問にお答えいただきたいです。

「あなたは全株式を売却したのですか?」

そのお答えはいかがですか?

■Buffett:
バフェット氏:質問の答えはYESです。 弊社が売る時には、持ち株全てである事が多いです。

答えはYESです。

持ち株を少しカットするような事はしません。それは、弊社の取り組み方ではありません。

事業の100%を購入するのと同様に、90%または80%を売却します。

あるビジネスを気に入れば、できる限りその多くを購入し、できる限り長く保持します。

 

■質問者
次の質問ですが、いつ気が変わったのですか?

■Buffett:

バフェット氏:弊社が考えを変える時には、中途半端な措置などは取りません。

率直に言って、弊社がこの度売った価格が、購入時に支払った額よりもはるかに安いとは思いました。(訳注:多くの損失を出しているという事)

その取引量には驚きました。航空会社は常に比較的大量の取引がなされますが、今回弊社は持ち株全てを売却しました。