バリュー投資アカデミー ブログ
■ Interviewer:
(バフェット氏の基準で)『買いたいビジネス』という観点で会社を探しても、なかなか魅力的なレベル(割安な値段)では見つけることができないと思います。
しかしながら、株式市場を見渡すと、投資するに値する会社があると思います(ビジネスの魅力と、割安度の魅力のバランスから投資基準をクリア)。
バークシャーは今年2018年、株式を買い越しとなりますので、市場ではいい取引ができているようですね。
■ Warren Buffett:
(株式市場では)事業全体を購入するよりも、少ない金額で事業の一部を購入できます。
■ Interviewer:
会社全部を買う場合は、通常の価格にプレミアムを付与(一般的に多くの株主から買い集めるためには魅力的な価格の上乗せが必要)した金額を支払わなければならないですものね。
■ Warren Buffett:
その通りです。事業全体を購入する時と比較して、一部への投資の場合は、バーゲン価格で手に入れることができます。
もし、皆さんが、株式投資を株価の値動き捉えるような些細な事ではなく、「株式」をビジネスの一部だと考えることができれば、とてつもない経済的な恩恵を受けることになるでしょう。
バークシャーの場合は、とてつもなく多くの株主の方がバークシャーを普通預金口座と捉えています。
彼らは20年、30年、40年前にいくらかのお金を私たちに預け、私たちはそれを保持し、再投資しています。株主にとっては、(バークシャーは)預金口座なのです。
私も自分の株をそのように捉えていますし、チャーリー(バークシャー・ハサウェイの副会長)も自分の株をそのように捉えています。
■ Interviewer:
これまで何年もの間、株式に対して強気であった理由の1つは、金利状況ですよね。
■ Warren Buffett:
その通りです。
■ Interviewer:
あなたの金利の考え方は、金利は株価に対しての重力であり、金利が非常に低い時は必然的に株価が上昇するというものです。
株式市場で本当に奇妙なことがありました。労働者レポートから良いニュースが飛び込んでくると、人々は金利が上昇し、FED(連邦準備制度)が予想よりも金利を引き上げるつもりではないかと急遽心配が広がりました。
多くの人が大変心配して、そして(リーマンショック前の)10年前のように3%に向かって金利が上昇するのではないかと本当に心配になりました。
投資家または少なくともトレーダー達は、何が起きているのか?と懸念を抱いています。このことについてどう思われますか?
■ Warren Buffett:
30年国債を購入すると、昔はたくさんのクーポンが付与されていました。
3%程度のクーポンが記載されており、今後30年の間にあなたが得るもので、あなたに返ってくるお金です。株とは何か?
株も同じようなもので、たくさんのクーポンがありますが、まだ数値が印刷されていないだけです。
これらの数値を印刷するのは投資家であるあなたの仕事です。
これらの数値が10%と書いてあれば、ほとんどのアメリカの企業は、自己資本に対し毎年10%以上の儲けを出しています。
10%と書かれた場合、3%の債券と比べたら遥かに多くの価値があります。
しかし、もし国債が10%になると、株式や社債の価値に影響を与えます。
ゼネラルモーターズやバークシャーハサウェイの社債を買うとき、あなたは時間の経過とともにお金を還元してくれるモノを買っていることになります。
バークシャーの場合は、長い期間を指しますが、より大きなリターンを享受できるでしょう。
株式で申し上げると、クーポンの数字は、投資家次第であり、将来会社がどうなるのか?を考え、(投資家が)決定するものであると言えます。
そのため、あなたが買う際は、(割高の株を買うことはないでしょうから)割引された値段で購入することになるでしょう。
基準が高くなるにつれ、基準というのは国債の事ですが、その他の債券の魅力は薄くなります。これは基本的な経済学にすぎませんが。
従って、1982年または83年に、長期国債が15%に達したとき、資本で15%を稼いでいた企業は、そのような状況下では簿価程度であるため魅力的ではない。
そのため、30年分の債券を購入し、年間15%の中で12%の収益を上げている企業は、当時としては劣った企業でした。
しかし、国債が3%のときに12%を稼ぐビジネスは、とんでもないビジネスであり、相当な高い株価で売ることができます。
■ Interviewer:
つまり、金利が15パーセントから3パーセントまでは長い道のりであったということですね。
■ Warren Buffett:
その通りです。
■ Interviewer:
そうですね。この先、転換点は待ち受けていますか? 人々金利が2.4%から2.9%に変わったのを大きな違いとして捉えます。
歴史的に言って、今でもこのような尺で物事を捉えるべきだと思いますが、むしろ時間の経過に伴う絶対的な価格変動や収益割合の動きを見た方がよいでしょうか?
■ Warren Buffett:
金利が2.4%から2.9%への変動は、投下資本に対し12%のリターンを得ている企業と比較すれば微々たるものです。
そしてS&P株価指数(流動性ある米国大型株500銘柄で構成された指数)の数十年の数値を見れば、投下資本に対し十分なリターンを得ています。
この投下資本に対する高いリターンは、結果として高い株価に反映されます。
■ Interviewer:
ビジネス面から見てどこか転換点は来ますでしょうか?それとも緩やかな低下になるのでしょうか?
■ Warren Buffett:
正に重力ですね。
もし、来年の債券の金利が15%になると言われたら、今は所有したくない株式がたくさん出てきます。
15%でたくさんの国債を購入しますし、1982年に15%クーポンの米国債を購入しとけば良かったですけどね。
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